2 re_ism

旅行やライブの記録

namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~(感想)


2018-05-06
東京ドーム

「2018年9月16日、安室奈美恵 引退」
このニュースを聞いた時から、最後のパフォーマンスをぜひ見たいと思っていた。

運よく行けることになったが、チケット争奪戦は予想通り激しく、ツアー動員数75万人に対して、510万を超える応募があったそう。座席がどこであれ参加できるだけで本当にありがたいと感じた。
安室ちゃんに限った話ではなく、どんなアーティストでも引退、解散、事件、事故など様々な理由でいつライブを見られなくなるかはわからない。だからこそ、少しでも気になるアーティストのライブがあれば、思い立った時に行っておきたいなと思う。その心がけがあれば、一度も行けずに後悔ということは避けられる気がする。

そんなわけで「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」へ。デビュー25周年を飾るツアーであり、引退前のラストツアーでもある。東京ドームだけで6公演という国内最大規模のライブ、そしてアーティスト最後のライブがどういった雰囲気なのか、期待と少しの不安を持ちながら当日を迎えた。


★ライブ開始前まで

チケットの転売対策は年々強化されていて、今回は最後のツアーということもあってか購入段階からかなり厳しいものになっていた。チケットの抽選に申し込む時点で同行者を指定する必要があり、その後の変更は不可。チケットの形態も電子に限定。ライブの2日前の夜にようやくチケットがメール配信され、自分の席がどこかを知ることができる。

そして当日は2段階の身分確認が待っている。まずは指定の身分証明書とダウンロードしたチケットがあるかを提示して第一関門を突破。続く第二関門ではチケットのQRコードで読み取った情報と身分証明書の情報が一致しているかをチェックされる。厳重と聞いていたので会場入りまでかなり時間がかかると思っていたが、予想よりかなりスムーズに入ることができた。

会場内を見渡すと男女比は女性7割、男性3割くらいの印象で、年齢層は30~40代が最も多かったように思える。周囲を見ている限り座席はほぼ埋まっていたが、会場全体としては入場が滞っていたからなのかそれとも別の理由なのか、定刻になってもライブはなかなか始まらなかった。結局、原因はわからずじまいのまま、これまでのライブ経験の中で最も遅い約25分遅れでスタートした。やっと始まると思ったのも一瞬で、最初の演出から結構度肝を抜かれて、すぐに気持ちはライブモードへと切り替わった。


★ハイライト

・HEROの冒頭の聖火台をイメージした演出。会場内にまさか炎が燃え盛るとは思わず驚いた。
・ピンクの衣装。Baby Don’t Cryからの3曲はとにかくかわいいの一言。
・2000年代の楽曲のライブ映え。WHAT A FEELINGやSay the wordは普段聴く音源と比べてぐっとカッコよかった。
・TKタイム。小室哲哉さんの楽曲の連続披露に会場は大盛り上がり。特に、衣装替え後の一曲目にあたるTRY MEとBody Feels EXITのイントロが流れた時の会場の熱気は相当なものだった。
・CAN YOU CELEBRATE?。この一曲のためだけに用意された舞台、純白のドレス姿は見ごたえたっぷり。
・本編最後の3曲。FighterとIn twoは全演奏曲の中で特に迫力を感じた。そしてDo It For Loveでのファンへの感謝の演出に感動。
・HOPEで流れた、漫画ONE PIECEとのコラボアニメ。安室ちゃんと麦わら海賊団の共演を楽しんだ。
・アンコール後に出てきた涙と感謝の言葉。普段の安室ちゃんのライブ=MC無しだからこそ、今回のライブの特別感、そして言葉の重みを強く感じた。


★素晴らしい演出 ~a walk in the park

今回のライブで印象に残っているのが「a walk in the park」の演出だ。ステージ正面にある3つの大きなスクリーン映像の使い方が、シンプルながら今まで見たことのない使い方でとても素晴らしく感じた。具体的には、観客側から見て正面には今のライブ映像、正面右手には1997年のドーム公演の映像、正面左手には2012年のドーム公演の映像が映し出されていた。曲はいずれも、a walk in the park

この演出が素晴らしく思った理由は3つある。1つめはアーティストの変化をよりわかりやすく体感できること。ある曲のライブ映像を歌った年代別に同時に並べて見た経験がなかったのでそう感じたのかもしれないが、歴史や懐かしさをより鮮明に味わうことができた。
2つめは、現実と映像のシンクロ感がおもしろいこと。過去のライブ映像で行っているちょっとした仕草を、映像に合わせて現在の安室ちゃんが行っているシーンは、不思議さやかわいさにあふれていた。ダンスなど動きの多いライブだからこそ、このシンクロ効果が際立つのだろうと思った。
3つめは当時のライブを疑似体験している気分になれること。大画面で生歌と昔のライブ映像を同時に味わっていると、いつしか自分が当時のライブに参加していたような感覚になった。厳密に言えば、当時と今で歌い方や声量など違いは色々あるだろうが、映像が持つ引き込む力は大きく、当時の空間を共有できているようで嬉しさを感じた。


日本で残すライブは6月はじめの東京ドーム2日程のみ。引退までは約3か月残るが、その期間に新しい何かがあるのだろうか。少しの期待をもちつつ、ライブの余韻に浸りながらしばらくはアルバム「Finally」を聴き続ける日々が続きそうだ。


★セットリスト

【本編】

1.Hero
2.Hide & Seek
3.Do Me More
4.Mint
5.Baby Don’t Cry
6.GIRL TALK
7.NEW LOOK
8.WHAT A FEELING
9.Showtime
10.Just You and I
11.Break It
12.Say the word
13.Love Story
14.SWEET 19 BLUES
15.TRY ME ~私を信じて~
16.太陽のSEASON
17.You’re my sunshine
18.Get Myself Back
19.a walk in the park
20.Don’t wanna cry
21.NEVER END
22.CAN YOU CELEBRATE?
23.Body Feels EXIT
24.Chase the Chance
25.Fighter
26.In two
27.Do It For Love

【アンコール】

28.Hope
29.Finally
30.How do you feel now?