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旅行やライブの記録

(生)林檎博'18-不惑の余裕-(感想)

2018-11-22
椎名林檎のライブ「(生)林檎博'18-不惑の余裕-」へ。さいたまスーパーアリーナの回に参加した。

いつものツアートラックの場所を見に行くと何もない。何か代わりに記念撮影できるものはないかを探していると、200レベルの入口近くでボードを発見。ボードの脇には列が伸びていて、並ぶとスタッフの方が写真を撮ってくれる形になっていた。最近はこのように並ぶのが増えてきた気がする。きれいな一枚を撮りたい人にとってはよいシステムなのではないか。開演まであまり時間もなかったので、先日と同様に撮影者が交代する一瞬の間をねらって連写。思ったよりはよい写真が撮れたので、すぐに入場ゲートへ向かった。

今回は電子チケット制。身分証明書は不要な形式で、アプリをダウンロードして事前にチケットの受取を済ましておけば、後は現地で提示するだけ。電子チケットを初めて利用した頃は、ちゃんと起動するかどうかや電池切れなど様々な心配があったが、この一年で参加したライブの多くで電子チケットを使った影響もあってかすっかり慣れた気がする。システムの使い勝手がすごくよいとはまだ言い難いが、紙メインから電子メインへの過渡期だと思うので、今後も動向に注目していきたい。

電車が遅れていた影響もあるのかわからないが、ライブは開演時間からおよそ10分後にスタート。終演時間は開始から約1時間50分後だった。



………



ここからはセットリストの中で、気になった曲の感想を記しておきたい。


本能
最初の曲の途中まで林檎さんが登場しない演出にいきなり面食らった。本能のイントロで一気に盛り上がり、歌声が流れ始めるものの、ステージ上にいるのはライムスターのMummy-Dさんのみ。何だこれと思っているうちに、本人が奥から満を持して登場。衣装の煌びやかさは全然違うけれども、頭にまず浮かんだのは「小林幸子」というワードだった。そのぐらい派手さとか女王的な感じを一瞬で刻みこまれた。ほかの感想を見ていると賛否両論あるようだけど、個人的には驚きがあって面白かった。

雨傘
斜めの向きで直立して歌う林檎さんと、カラフルな背景の中で激しく線が動く映像との対比が美しかった。映像に合わせた英語の歌詞の表示もカッコいい。そのほかの曲も含めて、ライブ中に表示される歌詞がおしゃれでカッコいいと思ったのは林檎さんが初めてだった。多くの曲ではステージを正面に見て右上に表示されており、位置取りや文字の大きさ、字体、そして歌詞の漢字の多さなどを考慮して、違和感なく全体の美観を損なわない形で示しているんだろうと想像した。

化粧直し(インスト)
ダンスの魅せる力もライブ全体を通して印象的だった。特に、林檎さんの衣装チェンジである化粧直しのインストの時は、ダンスの魅力をたっぷり味わえる時間で、鮮やかな傘を使った舞に思わず引き付けられた。

人生は夢だらけ
ささやかな祈りと力強さの同居。普段聴いている音源でも感じる部分はあるけれども、ライブでこの曲を聴くとその点が一層際立って感じられる。こうした変化がライブの醍醐味のひとつだと思う。

東京は夜の七時~長く短い祭
情感溢れる曲の余韻に浸る間もなく一転、浮雲さんの登場により高揚感を煽るモードへ。東京は夜の七時から長く短い祭へと続く流れに身を預けていると、祭りの前のワクワクや最中の喧騒、そしていつか終わりが来ることの儚さが、短い時間の中に凝縮されているように感じられた。

獣ゆく細道~目抜き通り
コラボ曲2連発。獣ゆく細道では、エレファントカシマシの宮本さんの巨大な映像と一緒に歌っていて、その場にいないのに宮本さんが圧倒的な存在感を示していた。ミュージックステーションでのパフォーマンスを見て以来、生の共演をぜひ見たいと思っていたがこの日は叶わず。別の日には生で登場したと聞いて、すごくうらやましかった。一方の目抜き通りでは、ウルフルズトータス松本さんが登場し、会場のテンションは爆上げ。花道で林檎さんとトータスさんが笑顔でハイタッチしているシーンにすごく和んだ。


全体を通して感じたのは、ライブというより緻密に構成されたショーを見ているようだったということ。振り返ると、本編最後やアンコールの短い時間を除いてMCは基本なく、怒涛の楽曲ラッシュなのが特徴的だった。真意はわからないが、MCによるあそびの部分を極力なくして、きっちりと完璧なパッケージを届けたいのかもしれない。次はアリーナよりも小さな会場で聴ける機会があるとうれしい。

セットリスト

本編

01.本能(椎名林檎Mummy-D
02.流行(椎名林檎Mummy-D
03.雨傘
04.日和姫
05.APPLE
06.MA CHERIE
07.積木遊び
08.個人授業(フィンガー5 カバー)
09.どん底まで
10.神様、仏様
11.化粧直し(インスト)
12.カーネーション
13.ありきたりな女
14.いろはにほへと
15.歌舞伎町の女王
16.人生は夢だらけ
17.東京は夜の七時(浮雲ソロ)
18.長く短い祭(椎名林檎浮雲
19.旬
20.恋の呪文はスキトキメキトキス伊藤さやか カバー)
21.ちちんぷいぷい
22.獣ゆく細道
23.目抜き通り(椎名林檎トータス松本
24.ジユーダム

アンコール

25.はいはい
26.夢のあと